相続手続き

遺産相続手続き~不動産がある場合~

2016/07/08

SUN85_tanbotominka

▼不動産の相続手続きは複雑

遺産相続の手続きは多岐に渡りますが、その中でも
特に複雑な手続きの一つに、不動産の名義変更手続きがあります。

不動産の名義変更手続きは法務局へ必要書類を提出することに
よって行います。

相続の状況によって異なりますが、原則たくさんの戸籍を収集したり
名義変更の際に収める登録免許税という税金の計算を自分でしたりと、
慣れていない人にとっては大きなストレスとなる作業がかなりあります

具体的には以下のような流れで手続きが進みます。

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▼不動産の相続手続きの流れ

※遺言なし、相続人に行為無能力者(未成年、認知症患者等)、行方不明者が
いない場合。

①戸籍の収集による法定相続人の確定・不動産登記簿、評価証明書の収集
 ↓  ↓  ↓
②相続人全員による遺産分割協議
 ↓  ↓  ↓
③遺産分割協議書の作成
 ↓  ↓  ↓
④相続関係説明図、登記申請書の作成、登録免許税の計算
 ↓  ↓  ↓
⑤登録免許税の納付(印紙購入)、登記申請
 ↓  ↓  ↓
⑥登記完了書類の受領

 

①戸籍の収集による法定相続人の確定・不動産登記簿、評価証明書の収集

遺言が残されていない場合、亡くなった方の出生から死亡までの一連の戸籍および
法定相続人全員の現在の戸籍が必要になります。
戸籍は管轄の役所でしか保管されていないため、亡くなった方が生前に本籍を
転々としていた場合には遡ってすべての管轄の役所を巡って戸籍を取らなければばなりません
なお、戸籍の請求は郵送でも可能です。
戸籍がすべてそろったら、戸籍の読み取りを行い、法定相続人を確定します。
特に、親族が把握していない婚姻関係や子供の存在、認知した子供がいないかなどを
確認していきます。

その他の必要書類として、亡くなった方の住民票の除票(本籍記載のもの)、
不動産の名義を取得する相続にの住民票、不動産の固定資産税評価証明書が
必要となります。
また、登記情報を確認するために最新の登記簿を取得する場合もあります。

②相続人全員による遺産分割協議

遺言がない場合には、相続人全員の協議のもとに遺産の分割方法を決定しなければ
なりません。
したがって、不動産についても誰の名義にするのかを相続人全員の協議によって
決定します。
不動産をすぐに売却する予定であっても、いったんは相続人の誰かに名義を移さなければ
なりません。

③遺産分割協議書の作成

遺産分割協議がまとまったら遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書は法的な効力を有する文書になりますので、その内容が客観的に
明らかになるように記載事項等を慎重に判断する必要があります。
(作成を司法書士や行政書士に依頼することも可能です。)
作成した協議書には、相続人全員が署名および実印の押印をし、印鑑証明書を添付
する必要があります。
なお、遺産分割協議書は必ずしも連名で作成する必要はなく、同一内容の文書に
各相続人が署名押印したものを人数分作成する形式をとることもできます。

④相続関係説明図、登記申請書の作成、登録免許税の計算

必要書類がそろったら法務局に提出できる状態にまとめていきます。
相続関係説明図を作成しておくと、戸籍の原本をすべて法務局から返却して
もらうことができます。
登記申請書の書き方は「不動産登記法」という法律に定められており、その法律に
したがって作成する必要があります。
法務局には相談窓口があり、窓口にて申請書作成に関するアドバイスを受けることが
可能です。
登録免許税は不動産の評価額の0.4%と定められていますが、他者と共有で持っていたり
私道持分があったりすると計算が複雑になる場合があります

⑤登録免許税の納付(印紙購入)、登記申請

登録免許税の計算ができたら、その金額分印紙を購入して登記申請書に貼付します。
税額の計算を間違っていると後々追加納付や税金の還付を受ける手続きが面倒です。
印紙は法務局にも売り場があり、そこで購入することができます。
登記申請は法務局の窓口に申請書に持ち込むのみで完了します。
審査はその場で行われるのではなく、1週間程度、時間をかけて行われます。
何か不備があった場合には、申請書に記載した電話番号に電話がかかってきます。

⑥登記完了書類の受領

登記が完了すると、権利証(登記識別情報)の受け取りが可能となります。
法務局の窓口まで取りに行くか、申請時に書留郵便の返信信用封筒を提出しておくことで
郵送返却を受けます。

これで手続きは完了です。
完了後は登記簿を取得し、名義が確かに変わっているか確認をするとよいでしょう。

 

▼不動産の手続きは簡単?噂に惑わされると危険

よく不動産の登記手続きは簡単だと耳にしたという話を聞きます。
確かに、不動産の名義変更が簡単な場合というのは考えられます。
具体的には、「相続が一人の場合」「遺言人よって一人の人間が相続する場合」です。
これらの場合には、相続人全員による協議と、遺産分割協議書の作成が不要と
なりますので、手続きがかなりシンプルになります。

更に、戸籍の収集に関して、亡くなった方が地元から動かずに生涯を終えたために
転籍をしていないような場合には、戸籍の収集も一か所の役所で完結し非常にシンプル
ですので、特段専門家の力等を借りなくても何とか手続きができてしまうということが
あり得ます。

ただし、上記の場合に該当する割合は決して多くなく、基本的には相続人が複数いて、
戸籍もある程度移動している場合が多いですから、うかつに簡単と思い込んで自力で
始めてしまうと思わぬ壁にぶつかる可能性があります。

 

▼専門家に依頼する場合と注意点

不動産の相続手続きの専門家は司法書士になります。
司法書士以外の専門家は登記の代理を行うことはできません。

相続手続きを受け付けないという司法書士はまずいませんが、
相続手続きを重視していない司法書士は相当数います。
そのような司法書士は、忙しくて手が回らないと法的に期限のリミットがない相続手続き
後回しにしますので、司法書士に頼んだが3か月も4か月も音沙汰がない、ということに
なる場合が間々あるようです。

司法書士に依頼する場合には、スケジュール感をあらかじめ確認し、互いに共通認識として
いつまでに手続きを終わらせてもらうのかはっきりさせておくのが良いでしょう。

 

▼不動産の相続手続きを放置すると

上記でも述べたとおり、不動産の相続手続きには期限がありません
しかし、相続手続きを放置してしまうと、手続きを終わらせない間に次の相続が発生
してしまい、同意を得て実印をもらわなければならない人の人数が増えてしまいます

また、代が変われば親族間の関係性もより疎遠になっていくでしょうから、
親族間でのコミュニケーションがうまく取れずいつまでも相続手続きが進められない、
という事態になりかねません。

なので、期限がないとはいえ、不動産の相続手続きは早めに終わらせておくほうが
安全といえます。

 

▼手続きの障害となる壁

不動産の相続手続きは、上記に紹介したような比較的簡単な場合もあれば、
その逆で非常い複雑になる場合も存在します。
具体的には、
①未成年者がいる場合
②認知症患者・障がい者がいる場合
③行方不明者がいる場合
です。

上記に該当する場合には、それぞれ次の手続きが必要となり、
より手続き負担が増加します。

①未成年者がいる場合

未成年者は単独で法律行為を行うことができません。
したがって、遺産分割協議書に署名と押印をすることができません。
通常、未成年者の法律行為は親が代理人として行いますが、
相続の場面では親も相続人となっている場合がほとんどです。
そして、親が相続人となっている場合には、子供と利益が相反するため、
代理人となることができません。
そこで、親に代わる代理人を立てる手続きである「特別代理人選任申立て」
家庭裁判所に対して行う必要が出てきます。
この手続きも登記申請と同様、ある程度複雑な準備を要求されますので、
自力で手続きを進めていた方がこの壁にぶつかって挫折し、専門家に依頼する
というパターンはよく見かけます。

②認知症患者・障がい者がいる場合

認知症で判断能力がない方、障がいを持っていて判断能力がない方は、
単独では法律行為ができず、代理人を選任する必要が出てきます。

具体的には、家庭裁判所に対して「成年後見人選任の申立て」をすることに
なります。
成年後見人選任申立ての手続きは、上記の特別代理人選任手続きよりもさらに
複雑な手続きとなるため、手続きを担当する相続人には相当な負担になります。

③行方不明者がいる場合

相続人に行方不明者がいる場合であっても、相続人全員の印鑑が必要なことには
変わりがありません。
そこで、行方不明者がいる場合には家庭裁判所に対して「不在者財産管理人選任の
申立て」をする必要が出てきます。
こちらも家裁に対する手続きになりますので、上記の二つと同様準備の負担が
通常よりも増加することとなります。
(状況によっては失踪宣告の申立てをする場合もあります。)

 

▼処分に窮する人が増加中

不動産を相続したはいいが、自分にはすでに住むところがあるのでいらない
というケースが最近非常に多いです。
このとき、売却がスムーズにできるような物件であればそこまで大きな問題には
ならないのですが、田舎で買い手がつかないような物件や、もう使わない畑など
だと、処分に窮してしまう場合は多々あります

不動産は所有しているだけで固定資産税の負担が発生しますので、
持ちづづけることも好ましくなく、悩ましい問題として残ってしまうのです。

現状、国もこの問題については具体的な政策を行っておらず、相続人にて
悩みをかかけ続けている状態です。

今後より一層問題視されるようになるでしょうから、あるいは将来的に何か
打開策が出されるかもしれません。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました!

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